「糸かけ曼荼羅」は、シュタイナー教育で取り入れられたのが始まりだと言われています。
糸かけ曼荼羅をすることで、手指を動かし、集中力を養うとともに、足し算や掛け算をわかりやすく学べるというメリットがあります。
もちろん、美しい幾何学模様を作る楽しみや、数の不思議を味わうのにもいい教材になると思います。
今回は、5歳の息子と一緒に糸かけ曼荼羅64ピンを型紙からくぎ打ち、糸かけまで全て一緒にやってみました。
その際に作った型紙を無料でダウンロードできるようにしておりますので、印刷してお使いください。
糸かけ曼荼羅の作り方
糸かけ曼荼羅はどんな形でも同じかけ方をすれば完成します。
今回は、主流の丸形で作りやすい64ピンで制作していきます。糸かけ曼荼羅を作る板は30㎝x30㎝の曼荼羅ができるように、40㎝角の板を用意しました。
ダウンロードできる型紙は、20㎝x20㎝、30㎝x30㎝の2種類を用意しています。
糸かけ曼荼羅64ピン型紙 無料ダウンロード
ダウンロードボタンを押すとPDFが開きますので、そのまま印刷してご利用ください。
印刷用紙サイズはA4です。
糸かけ曼荼羅64ピン型紙 20㎝x20㎝
糸かけ曼荼羅64ピン型紙 30㎝x30㎝
糸かけ曼荼羅の材料
糸かけ曼荼羅の材料は、ほとんど百均で手に入ると思います。板はホームセンターの方が良質なものが入手できますね。
百均だけでなんとかしたい場合や、子供に金槌を使わせるのが危ないと思ったときは、板を工作用の発泡スチロール板、釘を虫ピンで代用するといいかと。美しさに欠けますが・・・
【基本の材料】
- 板(1㎝程度の厚みがあるとGood)
- 型紙(コンパスや分度器があれば自作可能)
- 釘(19㎜~25㎜。真ちゅうがいいかも)
- 糸(刺繍糸やミシン糸など。お好きな色で)
- 金槌(子供が使う場合は小型のものがオススメ)
- はさみ(型紙や糸を切る際に使用)
- 木工用ボンド(糸の始末)
【あると便利なもの】
- 押しピン(型紙を固定する)
- マスキングテープ(型紙固定・番号をつける)
- 電卓(釘を数えなくて済む)
- のり(当サイトの30㎝x30㎝型紙を使用する場合)
揃えるのが面倒!と言う場合は、糸かけ曼荼羅セットも販売されていますよ。
自宅に金槌ない!釘とかそんな沢山あっても使わないし・・・と言う場合は、セットの方がいいかもしれませんね。
糸かけ曼荼羅64ピンを5歳児と一緒に作ってみた
今回は、9周糸をかけるので、9色の糸を用意しました。
100均の18色入りを使いました。ちょっと細くて切れそうでしたが、切れずに完成させることができましたよ。
1色だけで作ってもきれいだよ。
糸をかける順番は
- 1周目:31
- 2周目:29
- 3周目:23
- 4周目:19
- 5周目:17
- 6周目:13
- 7周目:11
- 8周目:7
- 9周目:3
10周する場合は、9週目に5、10周目に3にするといいですよ。
型紙を作る
まずは型紙から。
ご家庭にあるプリンターは、大体のものが最大用紙A4サイズだと思いましたので、30㎝x30㎝の曼荼羅の型紙はパーツを分けて作りました。
30㎝x30㎝の曼荼羅を作る場合は、同じものを4枚印刷してカットして使ってください。
カットしたものをのりで貼って、1枚の型紙にします。
中心がずれないように、待ち針で固定して貼り合わせていきました。
20㎝x20㎝の場合は、印刷したものをそのまま使ってOKです。
型紙を固定する
押しピンを使って板に型紙を固定します。
この時、型紙を板の中央に来るように固定してください。
くぎを打つところに印をつける
型紙の上から、くぎを打つ場所に印をつけます。
板が硬かったので、釘を軽く打ち付けて目印をつけていきました。
板が柔らかければ、キリや押しピンを使って簡単に印をつけることができると思います。
型紙をずらしてみて印がついていることが確認できたら、型紙を外します。
板に釘を打つ
印をつけたところに釘を打っていきます。
板を貫通しないように、釘の頭が1㎝~1.5㎝くらい出ていれば大丈夫です。
高さを揃えるのも大変ですけど、子供と一緒にする場合は真っすぐ打つのが結構難しいです。
釘が内側に倒れていると糸を掛けづらいので、なるべく真っすぐになるように調整してください。
釘に番号をつける
釘に目印があると数えるときに便利で、間違えにくくなります。
マスキングテープや、剥がしやすいシールなどを使って釘に番号をつけていきます。
0から始まって5ずつふっていけば分かりやすいと思いますよ。
基本は右回りなので、時計回りに数字を貼っていきます。
ここまでで、糸かけ曼荼羅を始める準備が完了です。
釘打ちはパパに手伝ってもらいました。パパの手を打たないように、そろ~っと金槌をおろしているのが微笑ましかったです。
数を感覚的に学ぼう!シュタイナー教育で糸かけ
では実際に糸をかけていきましょう。
糸かけ曼荼羅では、主に素数を使って糸をかけていきます。素数以外でもできますが、今回は主流の素数をつかって糸を引いていきます。
0から始まり、全部の釘に糸をかけるとまた0に戻って来るというのが不思議です。
0に戻らなかったり、同じ周回で同じ釘に糸をかけると、どこか途中で間違っています。
糸かけの順番は、電卓を使って計算すると間違いが減り、作業が早く進みます。
お子さんの暗算や数を数えるの練習に使いたいときは、地道に・・・
64ピンの糸のかけ方
先ほどもお伝えしましたが、もう一度。
糸をかける順番は
- 1周目:31
- 2周目:29
- 3周目:23
- 4周目:19
- 5周目:17
- 6周目:13
- 7周目:11
- 8周目:7
- 9周目:3
1週目の糸は0から始まって、31ずつ糸をかけていきます。
最初は31番目の釘に糸をかけるわけです。
見てもらった方が早いので、写真付きで解説していきます。
糸かけ曼荼羅64ピン1周目
まずは、0の釘に糸を結びます。
固結びをして、糸の端は円の外側に出しておきます。
31ピン目に糸を1周させます。
糸は短めに持っておいた方が巻きやすいよ。
31ピンずつなので、次は31+31=62
62ピン目に糸をかけます。
62+31=93
93は64より大きいので、93-64=29
次は29ピン目に糸をかけます。
こうやって糸をかけていくと、途中で規則性を発見することができます。
31ピンずつかけると、1ピン飛ばしでかけていることに気づくと思います。
規則性を発見したら、計算機は不要!規則に従って糸をかけていくのもいいですね。
全部の釘に糸をかけると0に戻って来ます。戻ってきたら釘を1周させて固結びします。
2周目
2周目は29ピンずつです。
1周目と同じように、0の釘に糸を固結びしてスタート。
最初は29ピン目。次は29+29=58・・・・と言う風に繰り返して0に戻るまで続けます。
3周目以降
3周目は23ピンずつです。
23+23=46・・・です。
4周目は19ピンずつ。
5周目は17ピンずつ。
6周目は13ピンずつ。
7周目は11ピンずつ。
8周目は7ピンずつ。
9周目は3ピンずつ。これで完成です。
糸の結び目に木工用ボンドを付けて、ほどけにくくしてからカットします。マスキングテープを外せばOKです。
完成した物をおばあちゃんにプレゼントしたよ。
糸かけ曼荼羅で使う素数って?
糸かけ曼荼羅では、素数を利用して糸を引いていきます。
素数でなくてもかけられるのですが、すぐに0に戻ってきてしまったりするので、数の不思議を体験したいのであれば、まずは素数で始めてみることをお勧めします。
素数とは
素数とは、「1」と「その数自信」でしか割り切れない数のことです。(1は素数には入りません。)
素数を見つける方法は、「エラトステネスのふるい」という表を使って見つけていくと簡単です。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 |
41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 |
51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 |
61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 |
71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 |
81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 |
91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 |
まずは、1~100までの数字を表に書きます。(1~100までの素数を見つける場合)
2が素数なので、2の倍数を消していきます。
3も素数なので、3の倍数を消す。
4は2の倍数なので素数ではありません。
5の倍数・7の倍数を消していく。
このようにして、表に色を塗っていくと残った数字が
2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31 37 41 43 47 53 59 61 67 71 73 79 83 89 97
になります。これが100以下の数字の素数です。
ちなみに、1を素数としてしまうと、全てが1の倍数なので「素数は1以外にない」と言うことになってしまいます。なので、1は素数から外しています。
糸かけ曼荼羅64ピンの素数の出し方
64ピンの場合は、まず64÷2をします。
64÷2=32
32に一番近くて、32より小さい素数は31です。
ですので、初めにかけるピンは0から31番目のピンとなります。
後は31以下の素数で続けて糸をかけていきます。29・23・19・17・13・11・・・ですね。
糸かけ曼荼羅を素数以外でかける方法
糸かけ曼荼羅は素数以外でも作れます。
円で素数を利用して作ると、同じような仕上がりになってしまうので、慣れてきたら素数以外を使って作ってみるのもいいですね。
では素数以外の出し方です。
糸かけ曼荼羅64ピンを素数以外で作る場合
まずは、64を2で割ります。
64÷2=32
64を因数分解します。
2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 2
32までの数字で2で割り切れない数字で、糸かけ曼荼羅を作ることができます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 | 32 |
上の表で青く塗った数字以外は、かけられます。
1・3・5・7・9・11・13・15・17・19・21・23・35・37・29・31
糸かけ曼荼羅65ピンを素数以外で作る場合
まずは、65を2で割ります。
65÷2=32.5
65を因数分解します。
5 × 13
32までの数字で5と13で割り切れない数字で、糸かけ曼荼羅を作ることができます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 | 32 |
上の表で青く塗った数字以外は、かけられます。
数字の不思議を体感できるので、お子さんと一緒に楽しんでみてください。
大人の方がハマってしまいますよ。